個人再生は家族に秘密でできるのか?

「個人再生すると家族にバレる?」
「個人再生したことが家族にバレない方法はある?」
借金問題を解決する手段である債務整理の中でも、住宅ローンが残っている自宅を手元に残しつつ借金を1/5~1/10まで減額してもらい、それを3年間で返済できる個人再生は、そのメリットの高さから多くの人に利用されています。ただし、個人再生は、裁判所を介する手続きであるため、厳格なルールの手続きや、提出書類の数も非常に多く、債務整理の中でも比較的家族にバレやすいものといえるでしょう。
個人再生が家族にバレるタイミングとしては
・裁判所への提出書類を準備するとき
・裁判所などからの郵便物が自宅に届いたとき
・ブラックリストに載っている(後述します)とき
が挙げられます。
家族にバレないようにする上で特に重要なのが、裁判所に提出する「個人再生手続申立書」に記入する申し立て前3ヶ月分の「家計全体の状況」をいかに家族に内緒で記入するかと、添付書類として必要な「同居人の給与明細書(3ヶ月分)」や「同居人の源泉徴収票(2年分)
」などを家族に内緒で入手できるかという点です。したがって、このミッションを達成できれば、同居している家族がいた場合でも、個人再生したことがバレる確率は低くなるでしょう。
ただし、家族に内緒で個人再生するためには、これ以外にも気をつけるべきポイントがいくつかありますので、今回は個人再生したときに家族にバレやすいポイントと、バレないための対策などについて紹介したいと思います。

★個人再生すると家族にバレるのか
まず、個人再生したことが家族にバレるのかという問題についてですが、別居している家族であれば、まずバレることはないでしょう。しかし、同居している妻や夫といった家族に内緒で個人再生するのは、かなり厳しいと思われます。一番の理由としては、裁判所への提出書類の中に、家族の収入証明書や家計収支表の提出が必要なことが挙げられます。ただし、同居する家族が無収入の場合や、なんとかして内緒で家計収支表を準備できれば、バレる可能性は低くなってきます。

★バレる可能性があるタイミングとバレないようにする対策
個人再生したことが家族にバレる可能性があるタイミングと、バレないようにするための対策について紹介します。

●裁判所への提出書類を準備するとき
個人再生の手続きに必要な裁判所に提出するための書類を準備する際、家族にバレる可能性があります。
横浜地裁で個人再生の手続きをする際に必要となる「再生手続開始申立書」の中には、申し立て前3ヶ月分の「家計全体の状況」を記述する必要があります。かなり詳細な項目に分かれているため、家計簿などを参照しなければ入力するのは非常に困難でしょう。そのため、家計を把握している配偶者などに細かなヒアリングをする必要があり、その際に「何でいきなりそんなこと聞くの?」などと怪しまれる可能性が高くなるのです。
さらに、横浜地裁では、家族に収入がある場合には、再生手続申立書の添付書類として以下のような添付書類が必要となります。(ただし、以下全てが必要というわけではなく、申告した家族の申し立て前3ヶ月分の収入を証明できればOKです)
・同居人の給与明細書(3ヶ月分)
・同居人の源泉徴収票(2年分)
・同居人の課税証明書(2年分・「所得控除額」欄が省略されていないもの)
・同居人の受給証明書(年金分)
・同居人の受給証明書(児童手当分)
上記書類の中には、家族にお願いしないと入手できないものもあるかと思います。そのため、家族に内緒で手続きを進めることが、非常に難しくなっているのです。

★家族にバレないようにするための対策
裁判所への提出書類を準備する際、家族にバレないようにするためには、「家族全体の状況」の記述と、「添付書類」の準備を、家族に内緒で実施できるかどうかがポイントになります。
まず、重要なのが、家計収支の実権を誰が掌握しているかという点になります。たとえば、あなた自身が細かく家計簿をつけているような場合や、あなたの妻が家計簿をつけているが、置いてある場所を把握できており、すぐに入手できるようであれば問題ないでしょう。しかし、そうでない場合には、食費や光熱費などを知るために、妻に細かなヒアリングをする必要が出てくるでしょう。また、各種明細書や預金通帳、保険の返戻金証明書なども入手しなくてはいけませんので、さらにハードルが上がります。
なんとか各種情報を入力し、家計全体の状況を完成させられたとしても、もう一つクリアすべき問題があります。それが「同居人の給与明細書(3ヶ月分)」の入手です。こちらも、すでに自宅にあり、かつ保管場所も把握できていれば問題ありません。しかし、手元にない場合は、家族の勤務先に申請して入手する必要があります。また、収入を証明する書類としては、「同居人の源泉徴収票(2年分)」や「同居人の課税証明書(2年分・「所得控除額」欄が省略されていないもの)」も認められてしますので、こちらが入手しやすい場合には、代用も可能です。ただし、これらの書類をあなたが入手するためには、家族の委任状が必要となります。したがって、別の理由をでっちあげるなどして、家族にうまく説明する以外方法はないでしょう。

●郵便物が自宅に届いたとき
普段、見慣れない郵便物が自宅に届いた場合にも、家族から疑われる可能性があります。

・裁判所から届く郵便物
個人再生すると、裁判所から通知書や郵送物が送られてきます。よって、これらが自宅に届いてしまうと、家族に秘密にしておくのは厳しくなってくるでしょう。

★家族にバレないようにするための対策
裁判所から届く郵便物を自宅に届かないようにする方法は非常に簡単で、個人再生の手続きを弁護士や司法書士といった専門家に依頼することで解決できます。各種郵便物の送付先を、自宅ではなく申し立て代理人である専門家の住所にすることができますので、あらかじめ専門家に、裁判所からの郵便物をあなたの自宅に届かないようにする旨を伝えておくようにしましょう。
ただし、あなた自身で手続きを行うという場合には、裁判所からの郵便物があなたの自宅に届くことになります。よって、家族に個人再生したことがバレないようにするためには、専門家に依頼するのが賢明といえるでしょう。

・専門家から届く郵便物
個人再生の手続きを専門家に依頼すれば、あなたが直接、裁判所やカード会社(クレジットカード会社・消費者金融・銀行)と連絡を取ることはありません。ただし、依頼した専門家とのやり取りは、頻繁に発生します。よって、専門家からの電話連絡や、書類が送付されてくる場合もあるため、見慣れない「〇〇弁護士事務所」といった郵便物を見た家族に、怪しまれる可能性があるでしょう。

★家族にバレないようにするための対策
専門家に依頼する場合には、郵便物の送り方について、あらかじめ調整しておく必要があります。たとえば、郵便物を郵送する際には、「〇〇弁護士事務所」などと書かれた封筒ではなく無地の封筒で送ってもらったり、送付先を自宅以外の場所にしてもらったりするようにすれば、家族にバレるリスクを下げることができるでしょう。

●ブラックリストに載っているとき
個人再生すると、信用情報機関が管理する信用情報に事故情報として登録され、いわゆる「ブラックリストに載った」状態となります。ブラックリストに載ると、5年~10年程度の期間、カード会社から新たな借入ができなくなったり、ローンの審査に通りづらくなったりします。そのため、ブラックリストに載ると、クレジットカードの発行や利用ができなくなったり、住宅ローンや自動車ローン、子どもの教育ローンなども組めなくなったりしますので、家族に不審に思われ個人再生したことがバレる可能性が高くなるのです。さらに、ブラックリストに載ると、ローンや子どもの奨学金の連帯保証人になることができなくなるため、こちらが原因でバレる可能性もあるでしょう。
ちなみに、「信用情報機関」とは、あなたとカード会社が適正に取引できるような活動を行う機関で、「信用情報」とは、あなたがカード会社のサービスを利用した履歴や債務整理をしたことが登録された情報のことです。

★家族にバレないようにするための対策
ブラックリストに載ったとしても、クレジットカードで買い物をしない人や、今後大きなローンを組む予定がない人、新たにクレジットカードを作る必要がないという人であれば、特に問題はありません。しかし、普段から家族がクレジットカードなどで買い物をするような場合には、どうしてもバレる確率が高くなってしまうでしょう。そのため、有事の際に備え、言い訳の手段を講じておく必要があります。たとえば、債務整理以外のブラックリストに載ってしまう理由を言い訳にするのも一つの手です。たとえば、借金の返済を長期間滞納したり、カードを強制解約されたりした場合でもブラックリストに載ってしまうため、こうした内容を言い訳のネタにすれば個人再生したことがバレない可能性もあるでしょう。
いっぽう、ローンの連帯保証人になってほしいとお願いされた場合には、お願いされた相手にもよりますが、絶対になりたくないというスタンスを貫けば回避することもできるでしょう。しかし、子どもの奨学金の保証人を求められた場合には、断る理由がないため、何らかの言い訳で乗り切るしかありません。

●債務整理に慣れた専門家に相談
家族にバレないように個人再生を進めるためには、手続きを依頼する専門家の配慮が必須となります。しかし、債務整理に慣れていない専門家に手続きを依頼する場合には、少し注意が必要です。たとえば、手違いで自宅に郵便物が送られてきたり、自宅の電話に連絡が入ったりするようなことがあれば、家族に個人再生したことがバレるリスクが高くなってしまいます。そのため、債務整理に慣れた専門家に依頼することが大切なのです。また、専門家のスタンスによっては、家族に秘密の案件は受けないということもあるようですので、依頼前に確認しておくことも必要でしょう。
なお、当センターには、債務整理の経験が豊富な弁護士が多数在籍しておりますので、家族にバレないように配慮し手続きを進めることも可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

★家族が借金の保証人になっている場合の影響
家族が借金の保証人になっている場合には、個人再生したことが家族にバレる可能性が非常に高くなります。
家族が借金の連帯保証人になっている場合には、個人再生を専門家に依頼し、カード会社に受任通知(あなたから個人再生手の続きを代行したという旨の通知)が送付された時点で、カード会社が保証人に対して借金残額を一括請求する可能性があります。したがって、保証人になっている家族にはあらかじめ事情を説明しておく必要があるため、個人再生したことを秘密にしておくのは、かなり厳しいといえるでしょう。

★もし家族(妻・夫)にバレたら離婚の理由になるのか
最後に、個人再生したことが家族(妻・夫)にバレた場合、それが離婚の理由になるかどうかについて説明します。

●個人再生したことを隠していたことが離婚の理由になるのか
個人再生したことを結婚相手に隠していただけでは、離婚の直接の原因にはなりません。
なぜなら、民法で定められた離婚原因は、「不貞」、「回復しがたい精神病」、「3年以上の生死不明」、「悪意の遺棄」、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」であり、そもそも「個人再生したことを隠していた」という原因の明記はないからです。一つだけ争点となり得るのが、個人再生することが「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するかという点でしょう。しかし、これは前述した不貞や悪意の遺棄といった重大な問題が該当するため、個人再生したことを隠していただけではそれほど重大な問題として捉えられないため、法的に離婚が認められることはまずありません。

●個人再生のデメリットが離婚の引き金になることはある
個人再生すること自体が離婚の直接的な原因にはなりませんが、個人再生したことによるデメリットなどが原因で離婚につながる可能性はあるでしょう。
個人再生は、裁判所に申し立てすることで借金を減額してもらい、残りを原則3年間(最長5年間)で返済する手続きであるため、少なくても3年間は家計から借金返済に充てる資金を捻出する必要があります。そのため、この期間中は、外食や旅行といった贅沢がしにくくなり、結婚相手に負担を強いることになります。また、子どもを作るのを延期するというケースもあるでしょう。
また、個人再生するとブラックリストに載る影響で、5年~10年程度の期間、クレジットカードやローンの利用などができなくなります。よって、住宅ローンや自動車ローンをあなた名義で組むことはできないでしょう。また、あなた以外の家族名義でクレジットカードを保有していない場合には、家族がクレジットカードを利用できませんし、子どもが進学する際の奨学金の保証人にもなることができません。
したがって、こうした個人再生によるデメリットが夫婦不和の原因となり、離婚につながるというケースは十分にあり得るでしょう。

★まとめ
・個人再生は同居する家族に比較的バレやすい債務整理だが、バレる確率を下げることはできる。
・個人再生が家族にバレるタイミング
└裁判所への提出書類を準備するとき
└裁判所などからの郵便物が自宅に届いたとき
└ブラックリストに載ってカードやローンが利用できないとき
・個人再生したことが家族にバレないようにするための対策
└「個人再生手続申立書」に記入する申し立て前3ヶ月分の「家計全体の状況」を家族に内緒で記入すること
└添付書類として必要な「同居人の給与明細書(3ヶ月分)」や「同居人の源泉徴収票(2年分)」などを家族に内緒で入手すること
└専門家に手続きを依頼して郵便物が自宅に届かないようにすること
└ブラックリストに載っているときはカードやローンの利用は避け、保証人にもならないこと
・個人再生したことが家族にバレても離婚の直接的な原因にはならない
└ただし、個人再生したデメリットが影響で夫婦関係が悪くなり、離婚につながる可能性はある

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